富山県 南砺市・西太美地区

いま、南砺で何が起きているか、
知っていますか。

南砺市の里山に、国内でこれまで例のない規模のデータセンターをつくる計画が動いています。市の土地はすでに売られ、2026年7月10日には起工式が行われました。

けれど、この計画が水や空気や暮らしに何をもたらすのかを、建てる前にまとめて調べる手続きは、法律上どこにも当てはまりません。

このページは、反対を呼びかけるものではありません。市の公式資料・新聞報道・国の資料に載っている事実だけを、順番に並べたものです。出典はすべて最後にまとめてあります。
棚田と家のある里山と、サーバーの列が並ぶひとつの風景を、送電鉄塔と電線がつないでいる抽象イラスト。山あいには小さな川も流れる
イラストはイメージです。 里山の仕組みと、データを支える仕組み。その接点を考えるためのグラフィックです。

まず、これだけ

データセンターって、何ですか

スマホで見る動画も、送った写真も、AIが返してくる文章も、手のひらの中で作られているわけではありません。どこか別の場所にある建物の中で、たくさんのコンピューターが計算し、記録しています。

その建物が「データセンター」です。人はほとんどいません。並んでいるのは機械です。

機械は電気で動き、動けば熱を出します。だから大量の電気を引き込む設備と、出た熱を外へ逃がす仕組みが要ります。これが、データセンターが「大きな電子の倉庫」と呼ばれる理由です。

データセンターのしくみの図 スマホやAIの計算が、離れた場所にあるデータセンターの機械で処理され、その建物は大量の電気を受け取り、熱を外に出すことを示した図。
  • 左:スマホ・AI
  • 中央:データセンター
  • 右:大量の電気と、出る熱
データセンターは「動画やAIの計算を引き受ける建物」。そのぶん、電気を吸い、熱を出します。

計画の大きさ

南砺の計画を、数字で見る

市の公式資料と報道に出ている数字です。むずかしい言葉が並びますが、ひとつずつ、身近なものに置きかえてあります。換算の計算式は、いちばん下の「出典と計算の根拠」に全部書いてあります。

13ha 売られた市の土地

正確には130,889平方メートル。東京ドーム約2.8個分です。南砺市福光地域の西太美地区、南福光変電所のとなり。

濃紺の方眼と等高線の上に、角丸の面が三つ置かれ、三つ目の面だけ下側が網点で塗られている、面積の大きさを考えるための抽象図
イラストはイメージです。 面積の大きさをつかむための抽象図です。個数の比を正確に表したものではありません(正確な換算は、東京ドーム約2.78個分)。
1.9億円 売却額

正確には189,275,980円。1平方メートルあたり1,446円。競争入札ではなく随意契約(相手を決めて直接結ぶ契約)でした。

300MW 第1フェーズが使う電力(建物は最大400MW規模の設計)

300MWは、南砺市が説明する第1フェーズの「電力使用量」です。

最大400MWは、南砺市が説明する「建物自体の最大設計規模」です。受電容量かIT機器の容量かは公表されていません。

MW(メガワット)は電気の大きさの単位です。設計上限の400MW(受電容量=引き込める電気の最大の大きさなのか、IT機器の容量なのかは公表されていません)に、稼働率70%(1年のうちどれくらい動かし続けるかの想定)をかけて計算すると、1年間で約24.5億kWh。これは南砺市の全世帯(17,435戸)が1年に使う電気の約26.5倍にあたります。400MW×70%=280MWで、市が説明する「電力使用量300MW」とほぼ同じ大きさです。

3.1GW 最終構想(「南砺キャンパス」)

GW(ギガワット)はMWの1,000倍。3.1GW=310万kW は、志賀原子力発電所2号機(135.8万kW)の約2.3基分の受電能力にあたります。ただし市は「最終構想は電力供給体制も場所も、現段階では白紙」と説明しています。

2028年中 操業開始の予定

造成工事(第1フェーズ1-1)は2026年7月から2027年4月末までの予定。2026年7月10日に安全祈願祭・起工式が行われました。

ここまでの流れ

何が、どの順番で決まったか

日付を並べると、この計画のいちばんの特徴が見えてきます。決まるまでが速かったということです。

  1. 2025年9月11日/12月1日 一部の地元関係者への説明会(2回)
  2. 2025年11月25日 GigaStream富山株式会社が登記される(法人番号が指定される) 所在地は南砺市本町(井波地域)。土地を買ったのは、この会社の子会社です。会社の役割は「開発の許可を取り、電気と通信をつなぎ、着工できる状態にしてデータセンター事業者に売るか貸す」こと。つまり、この会社自身がデータセンターを動かすわけではありません。なお、地元関係者への最初の説明(9月11日)は、土地を買う側のこの会社ができる(11月25日)より前に行われていました。
  3. 2025年12月3日 西太美地区の全住民向け説明会 市が公表している経過表のなかで「全住民」と書かれている説明会は、この1回です。
  4. 2025年12月17日 市有地を売る議案(財産処分議案)が議会に提出される 12月会議の最終日は12月19日。議案は会期の終盤に追加で出されました。
  5. 2025年12月19日 「全32議案を可決した」という認識で閉会。同日、共同記者会見 全住民説明会(12月3日)から、わずか16日後でした。
  6. 2025年12月20日 採決漏れが判明する 19日の夜、市議の1人が「あの議案は採決しただろうか」と議会事務局に問い合わせ、翌20日に漏れが分かりました。議長が進行で使う「次第」に、この議案の採決を書き加えるのが抜けていたためです。2004年の合併で南砺市が発足して以来、初めてのことでした。
  7. 2025年12月23日 本会議を開き直し、起立採決で全会一致可決。開会から終了まで2分半 これは中身を議論しなおす「再審議」ではなく、抜けていた採決の手続きをやり直したものです。※日付について:北國新聞は「23日」と報じ、南砺市公式ページの経過欄は「12月19日 議案の採択(22日)」と記載しており、表記にずれがあります。議会の会議録での確認が必要です。
  8. 2026年1月9日 土地建物の売買契約を締結
  9. 2026年1月〜6月 情報交換会(4回)・意見交換会 ※市は、2026年4月28日に西太美地域づくり協議会主催の会合で「受け入れの同意を得た」と説明しています(市Q&A Q33)。
  10. 2026年6月24日 三者協定を締結(南砺市/GigaStream富山/西太美地域づくり協議会) 水質・騒音・排熱(気温)・電磁波の4項目を月1回測定し、10年間保管して市がホームページで公表する、という取り決めです。日本データセンター協会が2026年5月に作った「データセンター地域共生ガイドライン」を参考にした、と市は説明しています。
  11. 2026年7月2日/7月10日 造成工事説明会 / 安全祈願祭・起工式
  12. 2026年7月27日(現在) 建物に入る事業者は、まだ公表されていません 2026年6月4日の市議会で、市長は「建物設置事業者が1社に絞られた」と述べました。ただし社名は公表されていません。誰が使うのかが決まらないまま、土地は売られ、工事は始まっています。

背景にあるもの

チェックが働きにくい構造

ここに書くのは、誰かを責めるための話ではありません。「そうなりやすい形になっていた」という、選挙の記録に残っている事実です。

4回連続 市長選が無投票

田中幹夫市長は2008年の初当選のときだけ投票があり、2012年以降の4回(2012年・2016年・2020年・2024年)はいずれも無投票で再選したと報じられています。

17人/17 市議会も無投票

2024年11月の市議会議員選挙は、定数17に対して立候補が17人。投票は行われませんでした。有権者数は39,812人です。

そして、市有地を売る議案の採決は、開き直した本会議で全会一致でした。

選ぶ機会が続けて無かったこと。議案が会期の終わりに出されたこと。採決が抜け落ちたこと。ひとつひとつは小さな出来事です。けれど重なると、「立ち止まって考える力」が働きにくい形になります。だからこそ、住んでいる人が自分で調べる意味がある——このページは、その考えでつくられています。

※選挙の結果は、選挙ドットコムの公表記録によります(出典はいちばん下の一覧)。

この計画のいちばんの問題

建てる前に、まとめて調べる手続きがありません

大きな開発をするとき、ふつうは「環境影響評価(環境アセスメント)」という手続きがあります。建てる前に、水・空気・生き物・音・熱にどんな影響が出るかを予測して、他のやり方と比べて、住民の意見を聞いて、記録に残す——という仕組みです。

この計画には、それが行われていません。手を抜いたわけではなく、法律と条例の、どちらの対象にも当てはまらないからです。

国の法律(環境影響評価法)の対象

  • ダム・堰対象になる
  • 発電所(火力・水力・原子力・風力・太陽光)対象になる
  • 高速道路・新幹線・空港対象になる
  • 工業団地の造成・宅地の造成対象になる
  • データセンター対象外(13種類の対象事業のどれにも入っていない)

富山県の条例でも、いちばん近い分類の「工場・事業場」が対象になるのは、通常の地域なら敷地面積75ヘクタール以上から。13ヘクタールでは届きません。ただし国立公園・国定公園・県立自然公園などの「自然環境特別配慮地域」にかかる場合は、A地域なら1ヘクタール以上、B地域なら20ヘクタール以上で対象になります。事業地がこの区域にかかるかどうかは、公開されている資料では確認できていません。ここは富山県に確かめる必要があります。市は公式Q&Aで「条例の対象ではない」と説明しています。

「富山県環境影響評価条例においては環境アセスメントの対象ではありませんが、データセンター立地による環境面での不安の声も伺っていることから、まずは水質、電磁波、気温及び騒音について、着工前には調査に着手したいと考えています。調査の具体的な内容、方法については地元と協議して決定し、必要に応じて調査結果の公開を検討します。」

— 南砺市「データセンターに関するQ&A(令和8年7月24日時点)」Q24 より

市も、環境への不安があることは認めています。そして自主的に調べようとしています。ここは正直に書いておきたい部分です。

ただ、書かれているのは「着手したい」「協議して決定する」「必要に応じて公開を検討する」。何を、どの範囲で、いつまでに調べ、結果をどう公開し、悪い数字が出たらどうするのか——それを先に決めた文書は、まだありません。

2026年6月の三者協定では、水質・騒音・排熱・電磁波の4項目を月1回測り、事業者が10年間保管して市がホームページで公表することが決まりました。生態系の調査や景観への配慮も盛り込まれています。これは前進です。けれどこれは「できた後に測る」約束であって、「建てる前に予測して、比べて、選び直す」評価ではありません。地下水の流れ、周りの気温、電気の系統への影響、そして3.1GWまで大きくなったときの積み重なった影響——それらをひとつの資料でまとめて予測したものは、公表されていません。

正直に、書いておきます

誤解しないでほしいこと

この問題を伝えるとき、話を大きくしようとすると、かえって信用を失います。だから、こちらに不利に見えることも先に書きます。

1. まっさらな山を切り開く計画ではありません

売られた13ヘクタールの中心にあるのは、福光里山体育館やグラウンドなど、これまで人が使ってきた市の施設と、その周りです。何も無かった斜面に、いきなり工事が降ってきたわけではありません。地元に「跡地なんだから使ったほうがいい」という受け止めがあるのも、自然なことだと思います。

ただし、市の公式Q&Aにはこう書かれています。「誘致予定箇所は森林が多く含まれておりますが、開発の基準により森林を一定割合残すことで……配慮いたします」(「……」は中略)。=つまり、決められた割合の森林は残す、という説明です。北陸中日新聞は、取得地に「野地溜池沿いの山林」が含まれると報じています。

どこを、どれだけ残すのか。その具体的な数字は公表されていません。「配慮します」という約束はあっても、「どれだけ変わるのか」を先に測った資料が無い。ここでも、順番は同じです。

2. 水をどんどん使う計画ではありません

市の説明では、この場所には冷却に使える地下水や工業用水がほとんど無いため、「空冷若しくは特殊な液体による循環式しか選択肢はない」(=空気で冷やすか、特殊な液体を循環させて冷やすかのどちらかしかない、という説明です)とされています。冷却水を汚して流すような排水は無く、排水は生活用水と雨水に限られる、とも書かれています。

ですから「川の水が枯れる」という話をこの計画の中心に置くのは、正確ではありません。

ただ、水を使わない冷やし方には別の代償があります。空気で冷やすぶん、電気を多く使い、熱はそのまま空気に出ます。アマゾンは、ルイジアナ州の自社施設について、夏のピーク時だけ水を使う蒸発冷却に切り替えると、施設の電力需要を25〜35%減らせると説明しています。逆にいえば、水を使わず空気だけで冷やすと、その時期の電力はおよそ1.3〜1.5倍になるということです。

そしてAI向けの機械は、年々発熱が大きくなっています。将来、冷やし方を変えることになったとき、それをもう一度誰が評価するのか。その手続きも、いまはありません。

3. 税収は、たぶん増えます

市の試算では、仮に5,000億円の投資があった場合、固定資産税は年72億円程度。国からの地方交付税が減る分を差し引いても、年20億円ほどが市に残るとされています(3.1GWまで実現した場合は約370億円という試算も示されています)。南砺市の固定資産税は、令和7年度の当初予算で約35.5億円です。

お金が入ること自体は、事実です。だから私たちは「税収が増えるからやめろ」とは言いません。言いたいのは、増えるものと、引き受けるものを、誰も並べて計算していないということです。

4. 地元がまったく同意していないわけではありません

市は、2026年4月28日に西太美地域づくり協議会主催の会合で「受け入れの同意を得た」と説明しています。三者協定を結んだのも、この協議会です。

ただし、同意した相手は西太美地域づくり協議会であって、下流で水を使う人や、隣の地区の人が当事者になっているわけではありません。誰が「地元」なのかの線引きは、公開されている資料からは確認できていません。

「跡地だから」も「水を使わないから」も、この計画が小さいという意味ではありません。問題は、大きさではなく順番です。調べてから決める。その「調べて」が、抜けています。

よく聞かれること

3つの質問に答えます

雇用は生まれないのですか?

市のQ&Aには、第1フェーズで約240人(開発事業者の説明)と書かれています。

いっぽう、データセンターが数多く建っているアメリカ・バージニア州の議会調査機関の資料には、「建設中は最大1,500人を雇うことがあるが、運用が始まってからは施設の規模のわりに少なく、およそ50人」と書かれています。

この240人が、工事をしている間の人数なのか、動き出したあともずっと働き続ける人数なのか。その内訳は公開されていません。これは批判ではなく、まだ答えが出ていない問いです。

反対しているのですか?

いいえ。求めているのは調査と説明です。

データセンターは、これからの社会に必要な設備だと思います。国もそう考えていて、地方に増やす方針を持っています。だから「つくるな」ではありません。

ただ、これだけ大きなものをつくるなら、つくる前に何が起きるかを調べ、公開し、住んでいる人が納得してから進める——その順番だけは守ってほしい。それだけです。

もう決まったのだから、いまさら遅いのでは?

第1フェーズは、たしかに動き出しています。

けれど、この計画は最終的に3.1GWまで広げる構想であり、市自身が「最終構想は電力供給体制も場所も、現段階では白紙」と説明しています。これから決まることのほうが、はるかに大きいのです。

また、国の「GX戦略地域」(=脱炭素につながる産業を集める場所として、国が選んで支援する制度)で富山県は2026年4月24日に1次審査を通過しており、最終的な認定は「夏頃を目途に」とされています。2026年7月27日の時点で、まだ発表されていません。意見を伝えるなら、いまがその時期です。

南砺だけの話ではありません

世界は、どうしているか

データセンターが急に増えているのは、世界中で同じです。そして海外では、「つくるな」ではなく「調べる間、少し止める」という方法が実際に取られています。

アメリカ・ニューヨーク州 ── 調べ終わるまで、いったん止める

2026年7月14日、ホークル知事が執行命令第62号に署名しました。50MW以上のデータセンターについて、州が出す環境関係の許認可を、包括的な環境影響評価(GEIS。地域全体をまとめて1本で調べる方式)ができあがるまで保留する、という内容です。期間は最長1年とされています。評価する項目には、エネルギーの需要、水の利用と水質、大気の質、弱い立場の地域への偏った影響、そして騒音が挙げられています。

公平のために書き添えると、これは「州が一方的に強く出た」話ではありません。州議会はその前の6月4日に、20MW以上を対象とするもっと厳しい法案を可決しています。知事はいまのところこの法案に署名しておらず(法案は2026年12月末までに知事のもとへ送られることになっています)、先に、より緩い執行命令のほうを出しました。制度づくりの綱引きは、まだ続いています。それでも、「調べ終わるまで決めない」という仕組みが実際に動いたことに変わりはありません。

ヨーロッパ ── 0.5MWから、毎年の報告が義務

EUのエネルギー効率指令では、設置しているIT機器の電力が500kW(0.5MW)以上のデータセンターに、持続可能性の情報を毎年報告し、公表することが義務づけられています。報告する項目には、エネルギー消費量だけでなく、廃熱と水の使用量も含まれます。

南砺の第1フェーズは300MW。EUで報告が義務になる大きさの、600倍にあたります。※EUの500kWは「設置したIT機器の電力」です。南砺の300MWがIT機器分なのか施設全体なのかは公表されていませんが、仮に施設全体だとしても、国の効率基準(PUE1.4)で割り戻したIT機器分は約214MW=EU基準の約428倍になります。どちらで数えても、EUなら毎年公表しなければならない大きさをはるかに超えます。それでも日本には、環境アセスメントも、こうした公表義務もありません。

そして、日本でも

2026年3月31日、東京都が都道府県としては初めてとみられる「まちと調和したデータセンターに向けたガイドライン」をつくりました。2026年5月には、日本データセンター協会という業界団体自身が「データセンター地域共生ガイドライン」を出し、立地を検討する段階から住民や自治体と丁寧に対話するよう呼びかけています。

「南砺だけが騒いでいる」のではありません。手順が要る、という話は、行政も業界も2026年に文書にしはじめています。

私たちが求めていること

止めてほしい、ではありません

調べてから決めてほしい。順番を、元に戻してほしい。求めているのはそれだけです。

  1. 包括的な環境影響評価を、工事が本格化する前に。水・大気・気温・音・生きもの・地下水を、まとめて、独立した専門家の目で。
  2. 3.1GWまで広がったときの影響も、いま一緒に評価する。13ヘクタールずつ切り分けて見れば、どの一歩も小さく見えてしまいます。
  3. 冷やし方や規模が変わったときに、もう一度評価しなおす手続きを決めておく。いまは、その決まりがありません。
  4. 電気をどこから持ってくるのかを説明する。アイルランドでは、新しいデータセンターに「自分が使う分の電源は自分で用意すること」を接続の条件にしました。これは特別な要求ではなく、先進国がすでに制度にしている問いです。
  5. 調べている間、いったん立ち止まる(モラトリアム)という選択肢を、真剣に検討する。アメリカでは、2026年5月の時点で、地方自治体レベルのモラトリアムが少なくとも100件成立しています。1年でなくても、60日や100日でも成り立っています。

モラトリアムとは「一時停止」のこと。中止ではありません。堤防をこれ以上高くする代わりに、増えた水をいったん受け止める遊水地をつくるのに似ています。決めないための時間ではなく、ちゃんと決めるための時間です。

もう1枚あります

なぜ、声を上げるのか

ここまでは「何が起きているか」でした。もう1枚のページには、「なぜ私たちがこれを調べ、書いているのか」を書いています。数字ではなく、気持ちのほうの話です。

なぜ声を上げるのか → この土地に暮らしている人たちが、何を心配しているのか

確かめてください

出典と、計算の根拠

このページに書いた事実には、すべて出どころがあります。すべて2026年7月27日にアクセスして確認したものです。数字が信じられないときは、リンク先をご自身で確かめてください。それがいちばん確実です。

南砺市・富山県の公式資料

選挙の記録

国・自治体の資料

報道

海外の制度

換算に使った資料

計算の中身(そのまま検算できます)

東京ドーム約2.8個分:13ha ÷ 4.6755ha(東京ドームの建築面積46,755平方メートル)= 2.78

南砺市の全世帯の約26.5倍:400,000kW × 0.7(稼働率)× 8,760時間 = 約24.5億kWh/年。南砺市の全世帯は 17,435戸 × 5,300kWh(北陸の1世帯あたり年間消費・環境省)= 約0.92億kWh/年。24.5 ÷ 0.92 = 約26.5倍。※稼働率100%で計算すると約38倍になりますが、低めの前提(70%)を採用しています。

「300MW」と「400MW」は矛盾しません:400MW(設計上限)× 70%(稼働率)= 280MW。市が説明する「電力使用量300MW」とほぼ同じ大きさになります。市の300MWを1年間そのまま使い続けたとすると 300,000kW × 8,760時間 = 約26.3億kWh/年 = 約28倍ですが、本ページはより低く出る24.5億kWh=約26.5倍のほうを採用しています。

志賀原発2号機の約2.3基分:310万kW ÷ 135.8万kW = 2.28。※これはkW(瞬間の大きさ)どうしの比較です。実際に発電される量、実際に使われる量とは別のものである点にご注意ください。

EU基準の600倍:300MW(300,000kW)÷ 500kW = 600。※設計上限の400MWで計算すると800倍になります。※EUの500kWは「設置したIT機器の電力」なので、南砺の300MWを施設全体とみなして国の効率基準(PUE1.4=データセンター業に求められる効率の目安)で割り戻すと 300 ÷ 1.4 = 約214MW、214,000kW ÷ 500kW = 約428倍。どちらで数えてもEUの報告義務の水準をはるかに超えます。

なお、南砺市の第1フェーズの電力は、報道では「400MW」、市の公式説明では「電力使用量としては300MWであり、建物自体は最大400MW規模の設計」とされています。このページでは両方を併記しました。また、この400MW・3.1GWが「受電容量」なのか「IT機器の容量」なのかは、公開資料からは確認できていません。その区別が公表されていないこと自体も、情報が足りていない一例です。